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仮想通貨法案が可決、法規制はどうなるのか?セミナー開催レポ – クラブしゅうまい〜仮想通貨・ビットコインの話をしよう

仮想通貨法案が可決、法規制はどうなるのか?セミナー開催レポ

去る5月25日に仮想通貨に関する法案が参議院で可決し成立し、各メディアでも報じられました。

偶然にもその当日夜に仮想通貨の法規制についてのセミナーをミス・ビットコイン藤本真衣さんと開催しました。

講師をお願いしたのは仮想通貨にお詳しい弁護士の斎藤創先生です。
斎藤創先生は日本ブロックチェーン協会の顧問弁護士や株式会社bitFlyerの社外取締役をつとめられています。

イベント企画時には法案はちょうど衆議院を通過した頃でしたが、たまたま参議院の本会議で可決されたのが当日というわけで、成立後日本最速セミナーになったのではないかと思います。

左から斎藤創先生、藤本真衣さん、しゅうまい(私)

参加者多数で熱心な質問も多かったです

以下に私が理解した範囲でのノートを掲載します
自分が主催者側だとあまりメモできていないですが…

【追記】斎藤創先生のレジュメが公開されました!PDFはセミナー一覧からリンクが貼られています
弁護士紹介|創法律事務所

どうして法案ができたのか

2014年2月に取引所マウントゴックスが破綻、巨額のビットコインが行方不明になったことは当時大きくニュースでも報じられました。
そして、業界は動き、自主規制団体「日本価値記録事業者協会(JADA)」が同年9月に設立され、現在の「日本ブロックチェーン協会(JBA)」になっています。

その後、2015年6月に「FATFガイダンス」という各国の金融当局が集まってマネロン対策などをする政府間機関から出された勧告で、取引所の登録制などを求められました。

これらを受けて議論された後に2016年3月に改正法案が国会に提出され、5月25日に両院を通過し成立となりました。

☆日本ではビットコインを知らない人が大半だった2年前から現在まで次々と動きがありました。

今後はどうなるの?

法案は成立しましたが、政令・府令の案についてパブリックコメントが求められるかもしれません
法律は2017年の3月〜4月頃に施行されますが、「猶予期間」が設けられるはずです

法案の目的は?

仮想通貨に関する以下の2点を目的としています
1)マネロン・テロ資金供与の規制
2)利用者保護の観点からの規制

利用者保護については、取引所に本人確認・分別管理・財務条件のクリアなどが課されます。

☆資本金の最低金額や体制整備の必要があるため、個人運営の小規模な取引所は残念ですが継続できなくなる可能性が高いです。

仮想通貨はどう定義される?

資金決済法でこのように書かれています

1 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

2 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

ビットコインはこの定義で仮想通貨に当然あてはまります。

Rippleについては、XRPは1号に該当すると思われ、IOUは場合によります。

イーサリアムのEtherについては少なくとも2号の方に該当すると思われます。

Suicaなどの電子マネーは不特定多数相手に売買できないのと他の仮想通貨と相互に売買できないので仮想通貨の定義には該当せず、別の「前払式支払手段」として規制されています。
パズドラの魔法石のようなゲーム内通貨も同じく前払式支払手段として規制。

企業ポイント(マイレージやカメラ店のポイント)も不特定多数相手の売買不可であり非該当です。
ただし不特定を相手にビットコインとポイントを交換できるようにしたら2号仮想通貨になります。
既にサービスが稼働しているPexポイントからビットコインへの引き替えは不特定相手には該当しないはず。

なお、ビットコインや仮想通貨は一部報道にあるように「貨幣」として認定されたわけではなく、財産的価値とはされているものの、積極的に貨幣である棟の認定がなされているものではないそうです。

仮想通貨の交換業はどのように定義される?

以下の3号で定義されています

1 仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換
2 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
3 その行う前2号に掲げる行為に関して、利用者の金銭又は仮想通貨の管理をすること

1号により法定通貨から仮想通貨だけでなく、アルトコイン同士の交換も含められるとされました。

2号では媒介・取次・代理も含まれますが、登録業者からの委託を受けての業務の場合は「親」がしっかりしていれば「子」は独自の登録は不要と考えられるそうです。

3号では利用者の金銭・仮想通貨の管理、保管をすることが含まれますがウォレットだけの提供は含まれず売買の媒介をするかどうかによるようです。

以上のいずれかの行為を「業」として行う者が仮想通貨交換業として対象となります。
1回のみなど反復しない場合は「業」とされずに含まれないのですが明確な線引きは無さそうです。

他国ではどうなの?

日本では世界でも先駆けて国レベルでの仮想通貨法を制定しました。他の地域ではどうかというと…

米国の場合
・連邦レベルではFinCenがマネーロンダリング対策しており登録とアンチマネーロンダリンクを行う必要あり → ハードルは低い
・州レベルでは50州のうち45州ではライセンスを取る必要あり → お金がかかるしハードル高い
・NY州では仮想通貨ビジネス専用のライセンスがあり新商品や商品変更の都度許可を得る必要がある → 手間もかかりハードル高い
米国は割と厳しい規制となっています

欧州の場合
・国ごとにどのようなライセンスが必要かは異なり、ビットコインについては不要の国もある
・EUはPassport制度を導入しており、ある国でライセンスを取れば他の国ではより簡便な手続きでライセンスを取れる

これ以外の国でも、FATF勧告への対応はしてくると思われるそうです。

☆仮想通貨に関して日本は法整備が遅れていないというよりは、進んでいる方ですね。

質疑応答

私からは仮想通貨のトレードで儲かった場合はどうすればよいのかを質問しました。

これは、FXなどと同じで、給与所得者なら20万円以上・それ以外の人は1円以上の利益があったら確定申告をする必要があるそうです。ただ、現在の取引所では1年間で自分がどれくらい利益が出たのか分かりづらいですよね。

他にも参加者から次々とハイレベルな質問が寄せられて、皆さんの関心の高さがうかがえました。

CoinPortalでもイベントレポート掲載
イベントレポート:ミセス&ミス・ビットコインのイベントに潜入! – CoinPortal

Special thanks

本イベントはファイナンシャル・ジャパン株式会社様および株式会社bitFlyer様に協賛いただきました

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