3月16日(水)に大手町のFINOLABで仮想通貨事業者検討会という勉強会&討論会が行われました。法律についてずぶの素人のしゅうまいですが仮想通貨を巡る社会の動きに興味があるので参加してきました。
途中ではカラードコイン発行者としてコメントを求められ焦る一幕も。
ビットコインに代表される仮想通貨にいよいよ日本の法律が対応してくるという局面になり、全体としてとても勉強になる会でした。
ただし、自分でも考えなきゃいけない課題があるということも分かってきました。
会場には金融機関のシニアな方っぽい参加者もいらっしゃりつつ、ベンチャー側の参加者もいるという、特定の業界内にとどまらない開かれたものでした。だから私みたいなのまで参加できたのでありがたいことです。
(左奥:芝章浩弁護士 右:杉井靖典さん)
基調講演と質疑に答えていただいた弁護士の芝先生は、金融庁に出向していた時にマウントゴックス事件が起きたという、当局側から仮想通貨の問題に直面した経験をお持ちの方です。
▼詳しいアジェンダはこちら
~銀行法等一部改正案を受けて~『仮想通貨事業者検討会』 | Peatix
▼イベントレポートはIndieSquareの東さんのブログにも詳しいです
暗号通貨の規制はぶっちゃけて言うとユーザーにどのように影響するのか – ビットコインを語ろう2.0
私は法律に詳しくない上に、一度聞いただけではよく飲み込めないので、自分に話が振られた独自トークンのところをまとめてみました。
芝:=西村あさひ法律事務所 弁護士 芝章浩さん
杉井:=カレンシーポート株式会社 代表取締役 杉井靖典さん
参加者A:,参加者B:=会場の方
しゅうまい:=私
(直前はCounterparty,ShapeShiftについての話題)
杉井:ビットコインの上でカラードコインを発行している方というのも実は今日いらっしゃってまして(杉井さんが私の方を見る)
しゅうまい:え…私?!
…はい、えーとCounterpartyの上でトークンを発行しています。
自分では商店街のスタンプやピンバッジのような感じでブログのファンの方などに配っていたのですが、DEX(分散取引所)で値段が付いてしまっている状態で、自分でも困惑しているところがあります。
規制がすごい進んでしまった場合に、自分で面白コインを作って人に配って遊ぶということもできなくなるというのはちょっと嫌だなぁと思っているユーザーです。
芝:まず面白コインをタダで配るのは大丈夫です。それは売買ではありません。
杉井:それに値が付いてしまい転々と流通してしまうと、これややこしいですよ。
芝:しかもそれで物を買えちゃうようになりましたか?
(しゅうまい註:ここで回答する隙が無かったのですが、SHUMAIコインはスマホゲームのカードのトークンと交換が可能です。特定のものが買えるといえば買えるというか交換可能です。)
杉井:買えるようにしたいのが僕らのベンチャー企業なんですよね。
芝:そうすると仮想通貨の定義にあてはまると思うんですよね。
杉井:そうですよね。それが本当に日本円に換算して3千円分くらいの流通総額しか無いですよと言っても、規制対象になる可能性があるのですかね。
芝:そうですね、そういったものでもそれを売買を業(ぎょう)として行うということになりますと
杉井:業として
参加者A:売買ですよね。お金であってもポイントの発行をしているのは前払いに扱われていないのに、それは売らなきゃ売買する人が規制されるのであって、発行する人は規制されないんじゃないですか?
芝:そうですね。発行する人がタダで配る分には。発行する人が売るとそれは売買に…
しゅうまい:まずいまずい… まだベータ版の機能なのですが私のブログにビットコインを面白かったら寄付してくれたら代わりにSHUMAIコインを0.5円のレートでお返ししますということをやっちゃってまして。
芝:あぁー交換ですね
しゅうまい:千円二千円くらいの寄付が寄せられている状態なんです。
芝:まだ不特定相手にならないうちにやめた方が…
しゅうまい:やめたほうがいい?
杉井:やめた方が良い?でも、それはどうなんでしょう?
芝:あとは交換というのが価値が見合う物かどうかというところで、本当に寄付してくれた人におまけで渡すというくらいなら、解釈上交換じゃないと読む道は出てくるのだと思います。
参加者B:いま私もしゅうまいさんと同様にショックを受けたのですけれども、スモールビジネスの間はあまり気にせずに大きくなってから真面目に考え出すというのは不健全でしょうか?
芝:小さいうちは守らなくて良いかというとそういうわけではないです。
参加者A:流通総額あたり閾がついたりすると分かりやすいですよね。
芝:事業の規模ではなく仮想通貨の規模の方でということで言いますと、そもそも流通していない仮想通貨を業として売買している人がいてその人に対して本当に規制がかかってこなくて良いのかという。
そういう人はこれめっちゃ値上がりしますとか言ったりする…
参加者A:流通可能性があるだけでダメですか?ようは機能としては流通できるのだけれど流通させていない的な
芝:そこはどこまでいけば定義にあてはまるかというのはなかなか難しいと思うのですけど実際に決済に使えるというものというのがどこまで本当にそういう決済を受け付ける人がいないといけないのか、それともいなくてもできる可能性があるのなら入るのかとか、そのへんはまだ条文上文言上はっきりしていないとは思います。
参加者A:決済というところの敷居定義とかは
芝:決済と言ったのは条文で言うと「物品を購入しもしくは借り受けもしくは役務の提供を受ける場合これらの代価の弁済のために不特定の者で使用することができる」という部分ですね。
物を買ったりサービスを受けたりあるいは借りたりする時に対価を支払いますという。
(ここから分散型クラウドストレージStrojの話題)
はい、こんな感じで、ビットコイン以外の話題もたくさん出て白熱した会でした。
ただ「寄付ボタンやめた方が」は結構衝撃でしたね…。
その後、芝先生と直接、寄付ボタンについてお話したところ
・リスクはあるといえばある
・対価性があるとは言えないのだったら当てはまらないでしょう
・ただのオマケで釣り合いが取れてなければそんなに気にする必要はないのかなという印象
・価格が暴騰するなどして利益が生まれているとちょっとあやしくなってくる
・法律が施行されるまでは寄付ボタンを付けていても大丈夫
ということでした。
法律の世界の範疇に入ると結構厳しめに感じてしまいますよね。
これはアフィリエイトのセミナーで薬事法を学んだときにも感じたことです。
薬事法はサプリや健康食品を効き目があると偽って売る人を規制しています。
そのため、個人が効き目があると体感した場合でも、効くと言って売ってしまうとご用になる場合があります。
法律は生活している人を守るためにありますから、厳しめに書いておいて悪い人を取り締まれるようにする、そうしないと抜け道を悪い人が見つけてしまう、という定めにあります。
法改正では、まず先に取り締まりたいのは値上がりますと宣伝してお金を集める詐欺コインの類だと考えられます。
独自トークンで細々と遊んでいる人にまですぐに影響があるとは考えにくいです。
改正法が成立して施行されるまでには結構な時間があります。
それまでは、別に何も法に触れることはありませんので、とりあえず寄付ボタンもそのままにしておきます。
また、私がSHUMAIコインやネタトークンを配布する分には問題ありませんので、従来どおり、トークンを体験していただくために配布を続けようと思います。
それにしても、法律ができてくるところを間近に体験できるのは貴重だなと感じます。
こちらは完全に迷惑な状態への対処ですが、迷惑メール防止法の成立の頃を思い出します。
あの時は規制が追いつかなくて、毎日大量にスパムメールを受け取っていましたよね。
電子メールがコミュニケーション手段として破綻しなかったのは法律のおかげもあると思いますし、メールフィルター技術の進歩もあると思います。
いままさに仮想通貨が成長していく様子を、どこに行くのかな?と思って私も勉強しています。